地方移住でもっとも注意しておきたいことの一つに「近隣住人との距離感」があげられます。この場合の距離とは、隣家とどれくらい離れているかということではありません。人間関係を形成するうえでの精神的な距離感のことです。実際には地域や個人の性格によって分かれますが、地方の場合は他人とも親しみを持って付き合う傾向があります。
都市部と比べて和気あいあいとした雰囲気の中で暮らせるのは、地方のメリットといっていいでしょう。困ったときに助けてくれることも多く、気軽に声をかけてもらえるので一人暮らしでも寂しい思いをせずに済みます。ところが、これが行きすぎてしまうとプライベートな部分にまで土足で踏み込まれるという困った面も出てきます。人によっては、毎日のように訪問されて困ることもあるので注意したい部分です。
地方に移住を決めるときは、まずそこの地域性について調べておく必要があります。田舎といっても、実際にはさまざまです。表向きは親しげに接してくれても、必ず歓迎されているとは限りません。また、高齢化が進む過疎地に移住すると、50代や60代でも「若い」という認識を持たれます。
地域の貴重な重労働の担い手として期待されることもあるので、この点も注意が必要です。過疎化が進んでいても、観光地であったり子育て世代が住んでいたりする地方なら、適度な距離感を持って暮らすことはできます。失敗を避けるには、事前にしっかりリサーチしておきましょう。